ヒルトというのはナイフのハンドルの,ブレード側の端に付いている口金のことである。
ヒルトには大概,指を保護するための突起 (つば) が付いているが,つばの無いものをヒルトと呼ぶのかどうか,私はよく知らない。
包丁の口金にはつばが無いのが普通だが,とりあえずここではヒルトと呼ぶことにする。
まず,包丁の側にヒルトがはまる切り欠きを作る。
それから,ヒルトを削り出していく。
ここでは材料にニッケルシルバー (洋白) を使う。ニッケルシルバーというのは銅,亜鉛,ニッケルの合金で,色合いは銀に似ている。
ニッケルシルバーの角棒を短く切り,包丁にはめこむための溝を切って,コの字型になるように精密ヤスリで削っていく。
このように組み合わされる。包丁のブレードとヒルトの隙間はできるだけ少なくするのが肝要だ。
ヒルトは後ほど,ピンによって包丁に固定されるが,そのピンを通すための穴を明ける。焼き入れした後では穴を明けられないので,この時点で明ける必要がある。
画像がちょっと見づらいかもしれないが,包丁のブレード材とヒルトを組み合わせた状態で,穴を貫通させる。
次はいよいよ,ブレードを削り出す。