人に「包丁を作る」という話をすると,大抵は驚かれる。普通の人は包丁なんて自分で作るもんじゃないと思っているからだ。
そして多くの人は,真っ赤に熱した鉄を金づちで叩く「鍛造」を思い浮かべるようだ。
そうしたやり方は鋼材を熱するための炉など,設備を必要する。個人が趣味でやるには適さない。
ここでは「ストック&リムーバブル法」というやり方で製作していく。これは材料となる鋼材を削り出して刃物を作る方法である。本格的にやっている人はベルトサンダーなどの機械を導入していたりするが,私の場合は電動工具はドリルくらいのもので,主に金工ヤスリを使って鋼材を削り出す。比較的簡素な道具立てでも出来てしまうのがこの方法の利点である。
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