#3 外形を削り出す

人に「包丁を作る」という話をすると,大抵は驚かれる。普通の人は包丁なんて自分で作るもんじゃないと思っているからだ。

そして多くの人は,真っ赤に熱した鉄を金づちで叩く「鍛造」を思い浮かべるようだ。

そうしたやり方は鋼材を熱するための炉など,設備を必要する。個人が趣味でやるには適さない。

ここでは「ストック&リムーバブル法」というやり方で製作していく。これは材料となる鋼材を削り出して刃物を作る方法である。本格的にやっている人はベルトサンダーなどの機械を導入していたりするが,私の場合は電動工具はドリルくらいのもので,主に金工ヤスリを使って鋼材を削り出す。比較的簡素な道具立てでも出来てしまうのがこの方法の利点である。

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#1 ぼくのかんがえたさいきょうのほうちょう

ある日,私は思い立った。

「そうだ,包丁作ろう」

私は普段,料理をするにはするのだが,それほど頻繁にやるというわけではない。一応は料理をするので当然,包丁はすでに持っている。

普通の刃渡り18cmの三徳包丁だ。家庭用の包丁としてはごく一般的な形状と大きさだろう。

この包丁があれば,私がやる料理には十分こと足りる。だがこの包丁を使うのが億劫になってしまうことがある。

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私の工作室にようこそ

昨年 (2019年) の12月に包丁を1本完成させてから,その制作過程を撮影した動画の編集をしつつ,包丁の作り方を説明するためのWebサイトも作ろうと思い,サボりサボりながらWordpressテーマをいじっていたのがようやく形になりました。

1990年代後半の,WWW黎明期のころによくあった感じのサイトデザインにしてみました。あえてそうして手作り感を出しています。アクセスカウンターも作ってしまいました。

近年は3Dプリンターなどを用いた,デジタル的なもの作りがもてはやされていますが,このサイトではヤスリでゴリゴリ削っていくような,人力でアナログな工作を主にやっていきます。

最初は包丁・ナイフ作りについて載せていきますが,私もそんなにしょっちゅうナイフばかり作っているわけではありません。日曜大工的な工作や身の回りのものの修理などについても載せていきたいと思っております。